紫苑「あいつとは…?ほら、あの無表情ヤロー!騎士とか言ったっけな。さっき抱き合ってたからマジビビったんだけど!!もしかしたら、ってか絶対アイツが彼氏なんだって思ってたからさー!」
紫苑はものすごいスピードでまくし立てる。
日本語でもこれのリスニングを正確に言えって言われたら確実に無理だわ。
最後『アメンボ蟹類だと思ってたからさー!』って言ったよね?
明らか形違うんですけど。
アメンボは足8本も無いからね?
紫苑「あ〜…出れたし階段で下降りるか?」
あげは「そだね。」
何で紫苑は助けに来てくれたんだろぅ…?
何であたしの居場所が分かったんだろぅ…?
疑問は次々と頭を過ぎって来るのにあたしは口を開けなかった。
前を歩く貴方があまりにも上機嫌で。
今にも落ちそうなくらい飛び跳ねて。
大きく手を振りながら鼻唄なんか歌っちゃって。
バカバカし過ぎてなんかこんなことに頭を使ってる自分がちっぽけに感じたから。