__ドガシャッ…―!!
ものすごい物音と共に降ってくる瓦礫の山達。
慌てて閉じていた目を開けるとそこにはガラガラに崩れた扉と、息を切らして立っている紫苑の姿があった。
紫苑「ごめん。怪我してない!?」
慌ててあたしの元に駆け寄って来てくれる優しい彼に、あたしの心はキュンと可愛い悲鳴を上げた。
あげは「ぁ〜…ちょっと切っただけ。」
見ると金属の端が手の甲と擦れて少しだけ血が滲んでいた。
あげは「全然痛くないから大じょ…」
ふと顔を上げるとそこには世の終わりのような顔をした紫苑が居て言葉を失う。
紫苑「ごめん…。」
そう言って彼はあたしの甲に口づけた。
しょ…消毒だろうけど……。
あたしの心臓は暴れ狂って今なら口だけじゃなく耳からでも取り出せる気がする。
消毒なのに消毒なのに、紫苑の舌が手の甲を這うだけであたしは小さな悲鳴を上げてしまう。
は…恥ずかしい……。