あげは「しっ…おん…ッ」
自然と肩が震えるのが分かった。
嗚咽が止まらなくて込み上げる悔しさを一人じゃ処理仕切れなくてまた優しい騎士に頼った。
騎士はあたしが泣き止むまでずっと背中を摩っていてくれた。
でも、騎士のこの言葉で現実に引き戻されることになる。
騎士「なぁ…まだアイツのこと好きなんだよな?」
あげは「な…に言って…ッ」
〝んなわけないじゃん〟
完璧に否定できない自分の腑甲斐なさに苛立つ。
騎士「だって泣いてるもんな?」
あげは「……ッ」
否定できなかった。
図星だった。
騎士に言われてから気づくなんて…。
――ガンッ
大きな物音に肩がびくっと反応する。
騎士が目の前の机を思いっ切り殴ったのだ。
騎士の拳は赤くなっていて机は凹んでいることからかなり強い力で殴ったことが伺える。
騎士「何で俺だけを見てくれねーの……っ?」
ねぇ…それはどういう意味ですか?