2人きりになったあたしたち


先に口を開いたのは桜庭だった


「本当に、悠一を好きなのか?」
「あたし、好きな人いるよ」
「じゃ―なんで付き合ったんだよ」
「それでもいいって言われて、断りきれなくなった」


断りきれなくなったとか都合いいかもしれない

そんなの分かってる。分かってるんだけど、分かんないんだよ


「あたしの恋は一生実らないかもしれない、好きな人には好きな人がいて、しかも逢えないなんて・・・でも、今日偶然会えたから、告白しようって思ってたのに・・・」


なんて残酷な恋なんだろうか


あたしの恋は、どれだけ泣けばいいのだろうか


どれだけ傷ついて
どれだけ辛い思いをして
どれだけ泣けば、あなたの心はあたしに来るの?


「逢えないのなら、ずっと逢いたくなかった。今あたしを幸せにしようとしてくれる人がいる。あってしまえば、彼にしか目がいかなくなる・・・」


傷つけることを承知であたしは彼と付き合った


付き合うからには、桜庭以上に悠一を好きになるって決めたのに


そんなの心で決めたって実行なんかできない!!


あってしまえば、気持ちがあふれ出てしまう