「藤原は?」
「なにが?」
「付き合ってるやついんの?」


願わくば、聞かれたくなかった


“いるよ”っていうのがどれだけ辛いか


あって、やっぱりあたしは桜庭が好き


いないなんて言えない・・・


「・・・いるよ」
「まじで?じゃー、逢うとか無理だな」


桜庭が残念そうな顔をした


「そんなことないよ。逢えるよ」
「でも、彼氏焼きもち焼かない?」
「付き合ってる相手ね、あたしが好きな人いるの知っててあたしと付き合ってるんだ」


南波のこと、嫌いじゃない。でも、桜庭にあってしまった以上、もう隠し通せない


「あたしの付き合ってる人ね、“南波”なんだよ」
「・・・え?悠一?」


あたしの発言に、桜庭が目を見開いた


「あの!咲希、あたしたちちょっとあっち行ってくるから、ここで待ってて」
「あっうん!分かった」
「まじで?いつの間に仲よくなったんだよ」


莉那と洸は席を立って、どこかへ行ってしまった