「莉那お待たせ!」
「遅―い。で?どうだったの?祐希さん」
「うん、ちゃんと認めてくれたよ」
「なんか、結婚する恋人みたいね」


莉那が笑ってあたしたちを冷やかした


2人で顔を見合せながら笑った


「結婚、出来るといいね」
「そうだな」


ふたりで笑いながらそんな会話をしてたの覚えてるよ


莉那は先に来てたんだけど、祐生君はまだ来ていなかった


「あれ?祐生君は?」
「祐生、お母さんに話しに行った」
「そっかぁ、じゃ―まだこなさそうだね」


あたしたちは、立ち話をして祐生君を待っていた


もともと祐生君は病院の跡取りだ


星南高校では、医療科へ行くつもりらしい


父と母は忙しいため、今病院へ足を運んでいる


それから1時間ぐらい待っていたら、祐生君が走ってやってきた


「遅くなってごめんな!まったよな」
「1時間も待ったんだよぉ?」
「本当にすまん!」


莉那は、怒ってるけど笑っていた


あたしたちは、そんな2人のやり取りを見てるだけだった


「じゃー行こっか」


あたしたちが先頭で歩きだした


後ろではまだ莉那たちが口げんかをしていた