「お兄ちゃんただいま!」
「お帰り咲希」


いつもの勢いはなく、お兄ちゃんは顔をのぞかせるだけだった


いつもと違う


「お兄ちゃん。ごめんなさい・・・お兄ちゃんあたしのこと心配してくれてたんだよね。なのにあたし・・・本当にごめんなさい」


お兄ちゃんに頭を下げて謝った


お兄ちゃんはあたしに近寄ってきて、抱きしめた


「分かってくれたんならそれでいいよ。で?君は何でもう一度きたんだ?」


凪の存在に気付いたお兄ちゃんは、凪を睨みつけた


「今日はちゃんと話をしに来たんです」
「君に・・・・」
「いいじゃない、話しぐらい聞いてあげましょうよ。祐希」


麗子さんが間に入ってお兄ちゃんを説得させた


「凪君だったわよね?中へどうぞ」
「凪はいろ?」


凪はお兄ちゃんに一度礼をしてから、あたしについてきた


あたしの隣に凪を座らせ、あたしの目の前には麗子さんその隣にはお兄ちゃんを座らせた


凪が何を話すのかなんて聞いてないから、沈黙がずっと続いた


でも、少しして凪が息を吸って話し始めた