「うん。本物だよ。ストーカーかもしれないけど、桜庭としか結婚しないよ」


あたしは、あんな父親と母親にはなりたくない


あんな夫婦にはなりたくない


あんな愛し合ってない夫婦なんかにはならない


桜庭となら、幸せな家庭を築けると思うの


こんなことを思ってるあたしは・・・気持ち悪い?

「でも・・・俺、悲しい顔して窓の外を見てる藤原を見てられない。代わりになるとは言わないけど、俺ずっと、ずっと好きだったんだ、俺と付き合って」


・・・何を言われてるのか分からなくて、ずっと目を見つめていた


「あの・・・っあたしは」
「桜庭しか好きになれないんだろ?」
「うん」
「でも、俺は藤原が好きだったんだ。おためしだけでもいいんだ。俺を利用してくれてもいい、だから付き合ってくれ」


すごく真剣な顔


そんな顔されたら、断れないじゃん


「・・・うん。分かった」
「え?付き合ってくれるのか?」
「うん。お願いします」


あたしも、新しい恋に進まなきゃ


南波なら、あたしを幸せにしてくれるかもしれない


桜庭のことは・・・忘れるってきたんだ


「あたし、頑張って好きになるから」


好きになれる・・・この時はそ―思ってた


でも、あたしは優しい南波を裏切ることになる・・・


でもそれは、まだ先の話し・・・・