「咲希!お疲れ様!辛かったな」


帰ってきてそうそう、お兄ちゃんが抱きついてきた


「・・・う・・・っくるし・・・」


お兄ちゃんの腕の力は強くなるばかりで


あたしを離そうとはしなかった


「ちょっと!」


そんなあたしたちを見かねた麗子さんがお兄ちゃんの頭を叩いた


「いってぇな~、妹が試練を終えて帰ってきたんだぞ!」
「はは・・・」


お兄ちゃんの言葉に、呆れて笑うことしかできなかった


お兄ちゃんと麗子さんは未だに言い争ってるし


やっと終わってゆっくり静かにしていたいのに、騒がし家に帰ってきてしまった


「とっとにかく!祐希はもっと妹離れをしなさい!」
「なんでだよぉ、いいじゃねーか、咲希が可愛くてかわいくて仕方ねーんだから」


やっぱりお兄ちゃんの言葉に、笑うことしかできなかった


「あたし部屋戻るわ・・・」


言い争いをしてる2人をほおって部屋へ戻った


今日は絶対勉強しない――――・・・


先生、あたし頑張ったよ


先生あたしの努力認めてくれる?


『藤原.....よく頑張ったな!お前の努力絶対無駄にならないぞ』


かすかに、先生の声が聞こえたような気がした


先生、ありがとう!