「ここか・・・」


お兄ちゃんが資料を手に取って開いた


何が書いてあるかはわからないけど、いい印象だったらいいのにな


「帰ってこい」
「やだ」
「咲希の帰ってくる場所はここだぞ!?」
「違うもん!あたしの帰る場所は〇〇施設だもん!ここじゃないもん」


もうここにはあたしの居場所がないんだよ・・・


麗子さんだってあたしが居て邪魔だったはず!!


あたしが居ていい場所は〇〇施設しかないんだもん!


「なんでここがいいんだ!」
「ここが今のあたしの居場所だから!」


施設釜のあたしが住んでもいい場所


あたしが必至で見つけたいい場所!


「ここの施設に来る前にいっぱいの施設を訪れた。でもどこも休める場所なんかなかった!ここだけがあたしを笑顔で迎え入れてくれた!」


何も、お金も何も持ってないあたしを園長先生は笑顔で入居を許可してくれた


ほかの施設の園長先生は、お金がないなら出てってってばかり言ってきた


そんな中にあたしの居場所なんかない!


17歳まででいい、なんなら高校生になるまででいい


それまででいいから、今はあの施設に居たいの!


「お兄ちゃんが何て言おうとあたしは帰ってこない!」