「さっ、莉那行こう!」
「うん!」


莉那と、何気ない話で盛り上がってバカみたいに笑ってるのが好き


まわりなんか気にしないぐらいにバカみたいに笑って居たい


理穂のことなんか気にしない


気にしたら理穂たちの思う壺だから


絶対に落とし穴になんかはまってやらない


絶対に泣かない。理穂達なんかに負けてやんないんだから


あたしには、心からの心友がいるから


「サッカーって久しぶりにするんだよね。カラ蹴りとかヤダなぁ」
「あ―それあたしも思ったぁ!」


こうやって莉那と話してるだけでいい


それだけで、笑顔になれるならそれでいい


それだけで、嫌なことを忘れられるのならそれでいい


それだけでいいから。他に何も望まないから・・・


「咲希ちゃん!」


ふいに呼ばれたあたしの名前


それは校門のほうから聞こえた


その声に違和感を覚えながら、名前を呼ばれたほうに視線を向けた