「もう黒板消すの忘れんなよ」


こつんとあたしの頭を叩いて、近藤君は席に戻っていった


叩かれた部分に手を添えて、さすった


少し痛かった・・・


あたしもそれに続くように席に戻って教科書を出した


次は数学


久しぶりの数学



「よーし、始めるぞ」
「先生の授業久しぶりじゃね?」
「まーな。先生事ではあるが、俺の子供が今朝生まれた!ちなみに名前は沙織だ!」
「女の子なの!?」
「そーだ。かわいいぞ~」


へぇ、先生んちに女の子が生まれたんだ


「先生嬉しそうだな」
「ね~、あたしも愛する人の子供産んでみたいなぁ」


先生の奥さんをあたしは尊敬する


大好きな人の子供を命がけで産んだのだから


あたしもいつか、大好きな人の子供を産みたいって強くそう思った


「世界一近い人との・・・」
「・・・藤原?」
「・・・ん?」
「藤原ってさ、時々愛おしそうな顔するよな。彼氏のこと考えてんの?」


近藤君の質問に思わず赤面してしまった