コンビニ、ファーストフード、図書館。

行動範囲は大して広くないが、僕は目玉を隠せそうな場所を見つけては、右目をそこに置き、その場の風景を楽しんだ。

普段はまじまじと眺めることができないものを、この右目があれば、遠慮なく、恥ずかしさを感じることもなく、見つめることができた。

自分の顔を誰かに見られないというだけで、こんなにも物を見ることができるようになるんだ。

感動だった。


外の世界には、色んな人達がいた。

楽しそうに笑っている人、何かに怒っている人、物思いに耽っている人、今にも泣き出しそうな人。

幸せそうな人ばかりではないけれど、皆、それぞれ一生懸命だった。


羨ましいな。


ただ、そう思った。