外を歩くことは苦手だった。

どこで誰に見られているのか分かったものじゃないから。

誰かが僕を見て、笑っている気がするから。

人とすれ違うだけで、体が震える。

もしかして今の人、僕のことを気持ち悪いなんて思ったんじゃないかと思うと、不安でしょうがない。

だから僕は、街中ではできるだけ下を向いて歩いていた。

誰かと目でも合わせてしまったらなんて、考えただけで恐ろしい。


しかし今の僕には目的があった。