愛されている。

不思議な感覚だった。

しかし、心地は悪くなかった。

目玉の向こうで、元の持ち主がこんなことを感じているだなんて、彼女は夢にも思わないだろう。


夜中になると、彼女はどこか名残惜しそうにしながらも、僕を瓶の中に閉じ込める。

湾曲した視界の向こうで、彼女がゆっくりと口を動かす。

「おやすみ」と言っているのだろう。

僕も「おやすみ」と返し、目を閉じる。