休み時間になると、彼女の周囲には男女を問わず友人が集まった。

中には僕に興味を示し眺める者もいたが、誰もが皆、どこか慣れた様子の、呆れた顔をしている。

どうやら彼女は変わり者で通っているらしい。

だろうな、と僕は苦笑する。


放課後、彼女は色んなところに寄り道をする。

服を見、アクセサリーを見、本屋で立ち読みをし、しかし何も買わないまま適当な店に入って休憩する。

休日になると絵なんか描かないくせに画材屋を覗いてみたり、かと思えば日曜大工の店にも行ったりした。

川原に行って、何もせずにただそこに座っていることもあった。

行動範囲が広く、僕の知らない風景ばかりで、退屈しない。

友人と一緒の時もあったが、基本的には一人で歩くことが好きなようだった。