散々迷った末、ようやく勇気を振り絞った僕は部屋から飛び出した。

しかし、公園に辿り着いた時には、もうあの少女の姿はなかった。

三十分も悩んでいたら、当然の結果だった。


右目は相変わらずハンカチに包まれたままだった。

一体どこに連れて行かれるのだろう。

何もできない僕は、ただ瞼をぎゅっと閉じた。