もう飽きただろう、ただのおもちゃだよこれは。

不気味だろう。

もう放り投げてどこかに行ってくれよ。

回収に行けないじゃないか。

しかし、僕の期待とは裏腹に、あろうことか少女は懐からハンカチを取り出すと、僕の目玉をそっと包み込んでしまった。

ダメだ、何も見えない。

もしかして、このままどこかに持っていくつもりだろうか。

それは困る。

だが、今から公園に行って、少女に「その目、僕のなんだよ」なんて言えるだろうか。

言える自信がない。

誰かと会話したことなんて、もう遥か遠く昔の話だ。

話しかけられたとして、しかしそんな台詞、下手したらただの不審者だ。

警察まで呼ばれてしまったら、そのまま捕まってしまったら。


ダメだ、できない。