右目が取れた。


突然の出来事に、僕は叫び声を上げることも忘れ、ただただ取れた右目を見つめた。

まん丸の目玉は、ころんと転がり、今、僕の足元にある。


視神経とかいうもので繋がっているんじゃなかったのかこれは。

残った左目でしげしげと観察するが、それらしいものがくっついていたような形跡はなかった。

ただただ、丸い。

もしや穴の方に何か残っているのではないかと、右目のあった場所に手を突っ込んで確認しようとしたが、そこに何があるのか、いや、何もなかった時のことを想像して恐ろしくなり、僕は瞼の上から目玉のあった場所をそっと撫でることしかできなかった。