「魅柚‼‼」

「ありがとね??色々。

もうかかわんないから。

これからは赤の他人だよ」

そう言ってあたしは

走って店を出た。

後ろでずっと

魅柚って呼んでいる空海の声が聞こえたけれど。

あたしがいるせいで、

空海が変わってしまうのなら。

あたしが身を引く。

前からそれぐらいの覚悟は

出来ていたから。

もう、関わることはないんだ。

電車に乗って平常心を保とうとしたのに、

誰も乗っていないのに気づいたら

涙があふれて。

胸が苦しくて。

とにかく楽になりたかった。

どうしたら楽になれるのか。

辛いものから

苦しいものから

空海というものから

逃れるための方法を

見つけてほしい。