ふたりはしばらく話していた。





綾は一目惚れすることが多い。





反対にあたしはない。





どんな人かある程度わからないと好きになれない。






「――――だよね、黎!」






考え事をしていたあたしは綾達の話を聞いていなかった。





「えっ?…あっ、うん…」






なんて曖昧な返事をしてしまった。






綾はそんなことに気づかないらしく、また話に戻っていった。