今日は高校の入学式。




真新しい制服に身を包み、この春から通う学校の正門の前に立つ。




あたしは大きく深呼吸する。




あたし今日からここの生徒になれるんだ。




あたしの心はわくわくと、ほんのちょっとの不安でいっぱい。




「黎ーおっはよー!」




うしろから声をかけられる。




振り返らなくても誰かわかる。




中学のときからの大親友、屋代綾。




「綾!」




綾は、背が高くて、美人で、モデルさんみたい。




あたしの自慢の親友。