やっぱ早く止めなきゃ!
立ち上がって、その集団に走り寄ろうとした。
「ちょっ!!」
あたしがさけんだのと拳がふるわれたのは同時だった。
ガシッ
重い音がして、急に静かになる。
え……?
男の子が拳を片手で受け止めていた。
周りの男子たちも顔をさっ、と青くする。
「ごちゃごちゃうっせぇんだよ」
…空気が
「な……!」
「その生意気な奴に」
……一瞬にして
どかっ!と痛々しい音をたてながら男の子が男子学生のお腹に蹴りをいれる。
「うっ!!」
蹴られたひとが低く呻いた。
「負けてんのはてめぇらだろ」
………―冷えた、
青ざめた男子学生たちは後退り、あたしもそこから動けなくなった。