そう断言した光を見て、斎藤はあからさまに安堵した表情を浮かべた。


――本当に純粋で真っ直ぐな人だ。


「一さん、局長や副長に報告しますか」


「……止めておこう。今話した事は“仮に女だったとして”と言う仮定に過ぎん。それに、お前の剣の腕は確かだ」


そっぽを向いて、頬を掻く斎藤。


それは何であろうか――斎藤の意外な表情を発見したことで、光は思わず笑ってしまった。



「……本当にいいのですか? 事が露見すれば、責任を問われるのは私だけでなく、貴方もですよ」


「山崎もだろう?」



(……なんでそれを一さんが知って……)


さらりと言い切った斎藤は、そう信じて疑っていない顔だった。