光は、自らを嘲るような笑みを唇に滲ませ、目をそっと下に伏せて言う。
「……私には身よりが無くとも、刀の才だけはありました。それを利用し、生きることは当然の事ではないですか?」
「……お前が刀を持つことは問うまい。だが――壬生浪士組に入った目的は何だ?」
すでに、斎藤からは敵意の視線は感じられない。むしろ、女でありながら刀を振るう光を心配しているように見える。
(一さんは……私と違って純粋な人だ)
「――浪士共を斬る為ですよ。私は倒幕派の浪士が死ぬほど嫌いですから」
それは、年頃の女が口走る事ではない。
斎藤は目を丸くしたが、それについてはもう何も言わなかった。
「つまり……お前は佐幕派か?」
「ええ、勿論そうです」
「……私には身よりが無くとも、刀の才だけはありました。それを利用し、生きることは当然の事ではないですか?」
「……お前が刀を持つことは問うまい。だが――壬生浪士組に入った目的は何だ?」
すでに、斎藤からは敵意の視線は感じられない。むしろ、女でありながら刀を振るう光を心配しているように見える。
(一さんは……私と違って純粋な人だ)
「――浪士共を斬る為ですよ。私は倒幕派の浪士が死ぬほど嫌いですから」
それは、年頃の女が口走る事ではない。
斎藤は目を丸くしたが、それについてはもう何も言わなかった。
「つまり……お前は佐幕派か?」
「ええ、勿論そうです」