覆面の布の下では、斎藤の大きな手が光の細い首に手を添えていたからだ。


彼の手から逃れようとすればするほど、斎藤は光の首を締めようとするのだ。


そして忍服の襟は、しっかりと掴まれて逃げ出せないように固定している。


――柔術の心得があるのだろうか。


「喉仏が無い……お前はやはり女か」


先程までとは打って変わって、斎藤の口調はひどく鋭く冷淡なものになっている。


(……誤魔化せない……)


と、光は斎藤の顔を見て悟る。


その言葉は質問ではなく、確認のためのものだと分かったからだ。


「――何か不都合でもありますか」