武士の生まれだということもあるだろうが、この壬生浪士組の代表と言うべき筆頭局長は芹沢ただ一人である。


つまり、組内で何かがあれば、正式に取り纏めるのは芹沢だ。そして、これまでの付き合いで、各人が腹に持っている考えは、大体理解しているつもりだ。


そして、自分の悪評の高さも知っている。


――だから、近藤たちがこれから何をしようとしているのか、酔っていたとしても、芹沢には何となく想像が出来てしまったのだ。






「貴方をお慕いしております」

「ああ……儂もだ」






近藤、土方よ。貴様らがこれから何をしようとしていても――……、


儂と共に生きると言っている者がいる限り、その者を残して、この修羅の命、そう易々とくれてやるわけにはいかぬ。