「烝から報告は受けましたか」
「……ああ。非番中だったのに助かった」
「ありがとうございます。……だから罰なんてある訳無いんですよ、光さん」
土方は無愛想に言い、にっこりと微笑む沖田は安心させるように言葉を発した。二人の態度は違えど、泣いていた光を気遣っているのがすぐに理解出来た。
だが、光はそんな同情を向けられたことに苛立ち、何も悪くない二人にそれを向けてしまう。
「そうですか。
……ならば一つ、土方副長にお聞きしますが――何故私には仕事を回して頂けないのです? 疑っていないと仰ったではないですか」
笑みを浮かべているものの、まるで捕食者に喉元を噛みつかれているような、凄まじい威圧感が土方を襲う。
それは沖田が身構えるほどの気迫。
今の光は、自身に対しての苛立ち、そして山崎に叱咤されたことで、少し混乱気味で感情が高ぶっていた。
日頃くすぶっていた感情――任務を任せてもらえない歯がゆさが、蓋を開いたかのように溢れてしまっていたのである。
その上厄介なことに、光には自分が混乱していることを理解できていなかった。
「……ああ。非番中だったのに助かった」
「ありがとうございます。……だから罰なんてある訳無いんですよ、光さん」
土方は無愛想に言い、にっこりと微笑む沖田は安心させるように言葉を発した。二人の態度は違えど、泣いていた光を気遣っているのがすぐに理解出来た。
だが、光はそんな同情を向けられたことに苛立ち、何も悪くない二人にそれを向けてしまう。
「そうですか。
……ならば一つ、土方副長にお聞きしますが――何故私には仕事を回して頂けないのです? 疑っていないと仰ったではないですか」
笑みを浮かべているものの、まるで捕食者に喉元を噛みつかれているような、凄まじい威圧感が土方を襲う。
それは沖田が身構えるほどの気迫。
今の光は、自身に対しての苛立ち、そして山崎に叱咤されたことで、少し混乱気味で感情が高ぶっていた。
日頃くすぶっていた感情――任務を任せてもらえない歯がゆさが、蓋を開いたかのように溢れてしまっていたのである。
その上厄介なことに、光には自分が混乱していることを理解できていなかった。