それを今更否定されるというのも困りものだ。
最初こそ罪の意識で押しつぶされそうになったものだが、今は心は痛んで後悔はすれども、止めるつもりはなかったのに。
(……惑わせるなよ……烝)
袖口で乱暴に涙を拭う。
(……復讐なんて……先生の為にはならないのか……? じゃあ私がしてきたことは無駄だっていうのか……?!)
復讐の意志が揺らぐ。風邪に吹かれたろうそくのように、それはゆらゆらと大きく揺れた。
目を強く瞑ると、ゆっくりと息を吐く。
「…………。……帰るか」
蒼く晴れた空を見上げ、誰にいうでもなく呟く。雲一つ探すのも大変そうな快晴の大空に、不覚にもまた頬に一筋の涙が伝った。
*
西の空が朱に染まる頃、光が屯所に戻ると、門の前には沖田と土方が並んで立っていた。
「あ、光さん! お帰りなさい……心配しましたよ」「遅かったな」
最初こそ罪の意識で押しつぶされそうになったものだが、今は心は痛んで後悔はすれども、止めるつもりはなかったのに。
(……惑わせるなよ……烝)
袖口で乱暴に涙を拭う。
(……復讐なんて……先生の為にはならないのか……? じゃあ私がしてきたことは無駄だっていうのか……?!)
復讐の意志が揺らぐ。風邪に吹かれたろうそくのように、それはゆらゆらと大きく揺れた。
目を強く瞑ると、ゆっくりと息を吐く。
「…………。……帰るか」
蒼く晴れた空を見上げ、誰にいうでもなく呟く。雲一つ探すのも大変そうな快晴の大空に、不覚にもまた頬に一筋の涙が伝った。
*
西の空が朱に染まる頃、光が屯所に戻ると、門の前には沖田と土方が並んで立っていた。
「あ、光さん! お帰りなさい……心配しましたよ」「遅かったな」