侍たちが消えた方を口惜しげに見ていた光は『裏道路からは無理だ』と諦めて、元の道に戻ろうとする。
しかし踵を返したその瞬間――、
「――……んぅ、……!?」
いきなり背後から口を塞がれた。
抵抗する光だが、手の主は光よりも力が強い。力では抵抗しようもない、と思った光は、次なる抵抗を考えていた。
しかし、「阿呆! 俺や、俺」と言う限界まで潜められた声が耳元で聞こえ、光は全身の力を抜いた。
「……そっちはあかん。
…………浪士がぎょうさん居る」
光の右側から顔を出した山崎は、彼女の横顔を見つめ、言い含めるように言った。口は未だに塞いだままである。
屯所に向かわせた山崎が何故いるのか。
疑問を抱いたまま、浪士がいるという反対側の方にまで歩いていく。すると、山崎は突然光を解放すると、怒りに満ちた顔で光の胸倉を掴んだ。
しかし踵を返したその瞬間――、
「――……んぅ、……!?」
いきなり背後から口を塞がれた。
抵抗する光だが、手の主は光よりも力が強い。力では抵抗しようもない、と思った光は、次なる抵抗を考えていた。
しかし、「阿呆! 俺や、俺」と言う限界まで潜められた声が耳元で聞こえ、光は全身の力を抜いた。
「……そっちはあかん。
…………浪士がぎょうさん居る」
光の右側から顔を出した山崎は、彼女の横顔を見つめ、言い含めるように言った。口は未だに塞いだままである。
屯所に向かわせた山崎が何故いるのか。
疑問を抱いたまま、浪士がいるという反対側の方にまで歩いていく。すると、山崎は突然光を解放すると、怒りに満ちた顔で光の胸倉を掴んだ。