「!……お客さん…………随分とぼろぼろにやっちまったねぇ……。こりゃあ悪いが、新調するしかなさそうだ」


申し訳なさそうに言う店主だが、光の反応は思ったより薄かった。予測していたのか、店内にある刀をちらりと見て言う。


「そうか。なら同じ様な刀が欲しい」


「へぇ。こっちです」


堂々とした光の立ち振る舞いには、先程のような女子の雰囲気は欠片も無い。


先導する店主と光に続くと、店内には沢山の刀が置かれていた。短刀やクナイ、銘の打ってある立派な大小もが揃っていた。


小さい店の割に、品揃えは豊富である。


「この短刀はどうですかぃ? 銘はありませんが……おれの自信作です」


「……綺麗な白色…………」


感嘆のあまり溜め息を漏らす光。
店主が手に持っているのは、まるで雪のように刀身が純白な短刀だった。


「……どんな刀だ?」
今までただ傍観に徹していた山崎がそう問うと、主人は顔を綻ばせて説明し始めた。