最初に光の間合いへと躊躇なく、大胆に飛び込んできた影があった。
やはりというべきだろうか“魁先生”という異名を取る藤堂平助だった。
だが、背後に竹刀を向けると、見計らったように正面から松原が打ち込んでくる。
まるで実戦のように、一切の躊躇がない刺突が面に襲いかかってきた。
(流石、組長たちは恐ろしいな……。油断をしたら負けるかもしれない……)
藤堂の竹刀の軌道を見極め、やっとの事で竹刀を避けたが、危険は去っていない。
鋭い松原の突きが光の胴目掛けて放たれたが、光は竹刀で弾き返し、それの軌道を少し変えた。
「くっ……そ……!」
剛力である松原でさえ、少し気をつけて受け流せば、簡単に軌道は変えられる。
戦いは力押しで決まるわけではない。
否、力が拮抗した者同士の戦いでは、最終的にそれによって勝敗が決することもあるだろう。
だが、弱者もしくは強者との戦いでは、力が全てではなく、技、速さ、正確さ、戦いの経験が求められる。
(……まだ剣道の意識が拭えない、か)
やはりというべきだろうか“魁先生”という異名を取る藤堂平助だった。
だが、背後に竹刀を向けると、見計らったように正面から松原が打ち込んでくる。
まるで実戦のように、一切の躊躇がない刺突が面に襲いかかってきた。
(流石、組長たちは恐ろしいな……。油断をしたら負けるかもしれない……)
藤堂の竹刀の軌道を見極め、やっとの事で竹刀を避けたが、危険は去っていない。
鋭い松原の突きが光の胴目掛けて放たれたが、光は竹刀で弾き返し、それの軌道を少し変えた。
「くっ……そ……!」
剛力である松原でさえ、少し気をつけて受け流せば、簡単に軌道は変えられる。
戦いは力押しで決まるわけではない。
否、力が拮抗した者同士の戦いでは、最終的にそれによって勝敗が決することもあるだろう。
だが、弱者もしくは強者との戦いでは、力が全てではなく、技、速さ、正確さ、戦いの経験が求められる。
(……まだ剣道の意識が拭えない、か)