異様な威圧感の正体は男自身からではない。ならば、きっと男が持つ刀からに違いない。光はそう推測したのだ。


だが言い渋っているのか、光は中々発言しない男に苛立ちを感じた。なにも隠すことでもないだろうに、と眉を寄せる。


「脅しではありません。早く言いなさい」


「!…………」


クナイを首に少し近づけると首筋に鮮血が垂れ、文様のように描かれた。


それでも強情に口を開けない、目の前の男に低い声で囁く。「言わないのならこのまま貴方を刺しますよ」


先程までとは違う本音の混じった言葉を聞いたからか、男の目が僅かに見開かれ、顎が震えている。


「――――だ」


「なんですか?」


「……そうだ、これは妖刀だ!」


頑なに閉ざされていた口がついに開かれた。光の予測通り、男の腰に提げられている蒼い太刀は妖刀だったようだ。