――1――


五月下旬。


天気は清々しい快晴であったが、光と山崎は重苦しい雰囲気――土方の部屋――の真っ只中にいた。


薄く笑みを浮かべる光。無表情を貫く山崎。そして眉間に深い皺を寄せている土方。三人とも胡座をかき、目の前には茶が置かれていた。


「山崎、井岡。今日呼び出しだのは、お前達に任務を言い渡すためだ」


「任務とは」


重苦しい空気に耐えきれなくなった光は、乾燥した唇をぺろりと舐め、先を促す。それはあまりに妖艶な所作であった。


「――任務とは、一体何ですか」


土方は一瞬、そんな光に息を呑んだが、すぐに何事も無かったように話し出した。