彼は壬生浪士組には珍しい賢人だ。書物を読み、時勢に精通しており、近藤を“知”の面から支えている。
無論、剣術も組長らに引けをとらない。
山南は、光にとってよき話し相手であり、時に時勢について教えてもらうことがある。
自らの持っている知識と比べ、そして補い、より正しいものに直すのだ。
何より、誰に対しても心優しい山南は、光の心の寄りどころとなっていた。
「――監察方には慣れましたか?」
「……私には仕事が回って来なくて……」
光が何気なくそう言うと、山南は少しだけ沈黙した。
不思議に思って見てみると、彼は眉を寄せて、何かを考え込んでいるようだ。
「――変ですね。だいぶ日も経つのに、未だ仕事が回ってこないなんて……」
無論、剣術も組長らに引けをとらない。
山南は、光にとってよき話し相手であり、時に時勢について教えてもらうことがある。
自らの持っている知識と比べ、そして補い、より正しいものに直すのだ。
何より、誰に対しても心優しい山南は、光の心の寄りどころとなっていた。
「――監察方には慣れましたか?」
「……私には仕事が回って来なくて……」
光が何気なくそう言うと、山南は少しだけ沈黙した。
不思議に思って見てみると、彼は眉を寄せて、何かを考え込んでいるようだ。
「――変ですね。だいぶ日も経つのに、未だ仕事が回ってこないなんて……」