(入隊して一日目だと言うのに……一さんに知れてしまったな。御太郎――いや、烝がいるのは予想外だったが……)


以前の光なら、壬生浪士組には近付かなかったはずだ。だが、これも復讐の為には都合がいい。


考え事をしながら、死体になった浪士と人斬りを背負い、近くの路地に投げ込む。


大人の男を背負う事には苦労するが、何とか手早く片付けることができた。


死体に背を向け、闇に紛れるように屯所へと戻る。


ふと、金臭い手の平を眺めた。


紅黒い。手を動かすと、乾燥した血液がパリパリと剥がれて花弁のように散る。


(……あぁ……)


その既視感によって蘇るのは、紅い花弁を振りまいて崩れ落ちる我が師。