「はぁー…はぁー…。」
「ちょっ!?星奈!?どうしたの、そんな息きらして…。」
教室についた頃には、息が上がりきって人語すら話せないくらいだった。
「もー。星奈?なんで僕のこと置いてくの?」
背後から話しかけて来るのは、教室のドアにもたれかかっている私を、無理やりはがし自分の胸の中へと押し込める変態野郎「佐々木陸」である。
すっごくイイ人だと思ったのに…。
勝手に好かれてしまったあげく、キスまでされてしまった…。
やっと呼吸が落ち着いてきた。
陸くんを振り払い席に着こうとする。
「ねぇ~星奈ぁ。なんでそんな冷たいの?」
めげずに尻尾をふりながらついてくる陸くんを完全シカトして、自分の名前のシールが貼ってある机を探した。