「きゃっ!!」
私は驚いて、その場にしりもちをついてしまった。
「あ、ごめんなさい。大丈夫?」
ぶつかった人は、親切に手を差しのべてくれた。
私はその手をとり、立ち上がって体についた砂をはらった。
「すいません。私が何も確認しないで走ったりしたか…ら…」
砂をはらい終わって顔を上げたとき、はじめてぶつかった人をきちんと見た。
眩しいくらいのキレイな金色の髪の毛。
少しねこっ毛で、風がふくたびにサラサラなびく。
そして同時に香る甘いハチミツのかおり。
スッと伸びた鼻に、少し垂れたくっきり二重の大きな目。
そこらへんの芸能人より、全然カッコいい…
「どうかした?」
「…え?っあ!!ごめんなさい!!」
ついみいってしまうほど、キレイな顔立ちをしていた。
「同じ1年生なんだね。リボンが赤い。」
そういって金パツ美少年は私のリボンをひっぱった。
「あなたも1年生なの?私、長谷川星奈。よろしくね。」
同じ1年生だからだろうか、さっきまでの緊張感が一気にほぐれた。
「星奈…?君が長谷川星奈!?」
私が名前を言った瞬間、美少年は驚いた顔をして私の両肩を掴んだ。
「へ!?そうですけど…私のこと知ってるの?」
「しってるも何も俺はずっとお前を…っ!!」
何故か言葉につまる美少年。
なんか様子がおかしい。
「俺はずっと?…なに?」
私は言葉の続きが気になって聞いてみる。
「俺は…。なんでもない…。俺は佐々木陸。よろしくね星奈。」
「よ、よろしく。」
陸くん何か言いたそうだった。
なんで途中で止めたのかな?
私の頭の中は?でいっぱいだ。