そしたら先輩がいきなり私を包んだ。






香水のにおいが一気に強くなる。





先輩の大きな体、すごくあったかい…。






「卒業おめでとう。星奈が来てくれてホントに嬉しいよ。」





あ、また嬉しいよって。







この1年、一生懸命頑張ってきて本当によかった。






先輩に忘れられてるんじゃないかって不安だった。






でも、いまその不安がこの先輩の温もりで一気に消えた。






好き。







大好きなんだ。







卒業式に伝えられなかった思いを先輩に伝えよう。






こんどこそ…






そう心に誓った。







するとチャイムがなり、入学式がいよいよ始まろうとしていた。






「星奈!!急がないと遅れる!!」





「は、はい!!」






私は急いでカバンをもって、体育館に向かってただただ走った。





「星奈!!よかったら今日の練習みにこいよな!!」






先輩が後ろから叫んだ。






「はい!!」






私も先輩に負けないくらい叫んだ。






入学式がいよいよ始まる。