「もう一人の王子はね?」
そう美羽が話しだした瞬間、教室のドアが大きい音をたてて開いた。
教室中が静かになり、みんなの視線が一ヶ所に集まった。
そこに立っていたのは、これまたすっごくイケメンな男の人。
いまでいう、ツーブロで黒いサラサラな髪はワックスでオシャレにセットされていた。
スラッとした体型で背もいい感じに高い。
思わずモデルかと思うくらいだ。
陸くんとは真逆の雰囲気ですごく爽やかだ。
しかし、雰囲気はすごく爽やかなのに…
ものすごく顔もイケメンなのに…
眉間にシワがよりまくり、目付きが猛獣化していた。
まあ要するに、このイケメンはいまものすごく不機嫌なんだろう。
クラスの女子がキャーキャーしてるなか、そのイケメンは陸くんに向かって、ドスドスと歩きだした。
「星奈?あれがもう一人の王子様だよ?」
「え!?あ…あれが?」
「そう!!三宅大河くん。通称…俺様王子。」
あーなんとなく納得。
「これはこれは、遅い登場だね。三宅大河くん。」