-桜-


隼人と別れた一週間前、行くあてもない私は、とりあえず公園に寝床を作った。


朝は、その寝床で目覚め、昼は赤い屋根のお店に行く、


そんな毎日の繰り返しで、気づけばもう、一週間もたっていた…


隼人は、幸せになっているのだろうか?


もう、私を忘れて、普通に生活しているのだろうか?







昼に、赤い屋根のお店に行くのには、















”もしかしたら隼人が来てくれるかもしれない…”













そんな淡い期待が今でも心に残っているからだ、



『あははは……』



私の乾いた笑い声が、昼の、騒がしい街に消えて行った……



『来るはずないのに…何を期待してるんだろ…』



淡い期待を持っていた自分に腹が立つ…



今日はもう帰ろうかな…


「さ……桜…」


帰ろうとしたとき、声が聞こえた、


此処にいるはずがない、愛しい隼人の声がーーーーー…。