「……瑞華、戻ってきてください。」


誰よりも冷静さを取り戻した尚希。


あたしはまた2階に上がった。


「……お前ら、コイツを全力で守れ。特に蛇毒は要注意だ。」


「「「はい…。」」」


下っ端達は戸惑ったように返事をした。


それを気にもせず紫苑は総長部屋に入っていった。


あたし達も幹部部屋に戻った。


「そういえば瑞華、門限とか大丈夫?」


「そういえばもう8時だな。」


「あぁ…大丈夫だよ。門限なんてないから。」


「でも家族が心配してるんじゃない?」


「あたしには…、家族なんていないよ……。」


「「「……っ。」」」


3人はそれっきり、何も触れてこなかった。