石段をやっとの思いで登り、水を汲んでからお兄ちゃんのところに向かう。
"陽月家之墓"
ここがお兄ちゃんの眠ってる場所。
早速水をかけて花を置く。
もう当分ここには来れないだろうから、お線香もあげた。
手を合わせて目を瞑ると、心の中でお兄ちゃんと会話してるような感覚になった。
お兄ちゃん、久しぶり。
あたしね、この町出て行くことにした。
ホントは行きたくないよ?
でも、これしか誰も嫌な思いしない方法がないんだ……。
……お兄ちゃん、あたし、生まれて初めてお兄ちゃんのこと恨んだよ。
なんであたしはお兄ちゃんの妹なんだろうって…。