こんなの残酷すぎる…。


やっと…、やっと好きだって気付いたのに……。


……でも、このままじゃダメだ…。


紫苑のためにも、あたしのためにも…。


あたしだって、認められないまま一緒にいたって嫌なだけだから…。


カーテンを少しだけめくって窓の外を見ると、もう紫苑達を乗せた車はいなくなっていた。


……そろそろ始めようか。


こらえていた涙を拭い、あたしは物置からキャリーバッグを持ってきた。


その中に、服とか日用品とかをあるだけ詰めた。


キャリーバッグだけじゃ足りなくて、ありったけのバッグに全部を詰め込んだ。