「「すいませんでした。」」


……。


そうだ、そうだった。


彰人の毒なんてまだかわいいものだったじゃんか。


黒いオーラ出して毒を無限に吐く人、ここにいたわ。


「そういえば瑞華、なんで植物図鑑なんて読んでるの?」


彰人が元の彰人に戻った。


「あぁ…、ちょっとね。」


分厚くて開くのさえもためらってしまうような植物図鑑を、夏休み初日に女子高生が熟読している。


きっととても不思議な光景だろう。


あたしが今何を調べているかというと、伝説の青いバラについて。