「それは違うよ…っ。
あたしはお兄ちゃんが誰かを庇って死んだって聞いて、お兄ちゃんらしいなって思った……。
だから紫苑が謝ることなんてない。悪いのはお兄ちゃんを撃った組長ただ1人。
だからそんなに自分を責めないでよ……。」
あたしは紫苑の腰に手をまわした。
あ…、そういえば今思い出した…。
紫苑って女嫌いじゃん!!
じゃああたし抱きつかないほうが……。
「フッ………ありがとな、"瑞華"。」
「……っ!!」
紫苑は妖しく口角を上げた。
それより今"瑞華"って……!!
紫苑との距離が、少し縮まった気がした。