そうだったんだ……。


「おいっ…、なんで泣いてるんだ!?」


え……?


あたし……泣いてる……?


嘘……。


お兄ちゃんの葬式以来一度も泣いてないのに……。


「大丈夫か…?」


「あっ…うん、ごめん…。」


すると紫苑は、抱きしめる腕の力を強くした。


「本当にすまなかった……。お前の大事な兄貴奪っちまって……。あのとき俺が撃たれてればよかったんだ……。」


「それは違うっ!!」


紫苑は目を見開いてとても驚いた顔をしながら、あたしと目を合わせた。