俺は何が起こったのか分からなかった。


いや、分かりたくなかったんだ……。


俺のせいで……柚歩さんが…っ!!


脳が覚醒したときには、組長だと思われる柚歩さんを撃った男を、意識がなくなってもまだ殴り続ける要さんが目に付いた。


それを必死に止めようとする幹部。


呆然としている下っ端達。


俺はフラフラと柚歩さんに駆け寄った。


「柚歩……さん…っ…。」


「ハアッ…ハアッ…紫苑……か…。」


「なんで……なんで俺なんか庇ったんですか…!!」


俺なんてまだ次期幹部候補。


下っ端に過ぎないのに…!!