今の状況がなかなか飲み込めない。


だって……ねぇ?


女嫌いであれほどあたしを嫌ってた紫苑が、あたしを抱きしめるなんて……ね?


「そうか…お前が…、お前が柚歩さんの妹か……。」


紫苑が腕の力を強める。


……密着度ハンパないし、酸欠なんですけど。


「紫苑…っ、くっ、苦しい…。」


「……あぁ、わりぃ。」


腕の力を緩めてもらい、あたしはサッと紫苑から離れた。


当の紫苑は、何か言いたそうに目を泳がせていた。


「……紫苑?」


あたしは気になって声をかけた。