「……っ!?」
いつ電話が終わったのか、ドアに体をもたれて腕を組んでいる紫苑。
あたしは慌てて手の甲で涙を拭う。
「何してるって言ってんだよ。」
「…え……あっ…。」
アルバムに散らばった雫も服の袖で拭った。
「ごめん…っ……勝手に見ちゃって……。」
紫苑の視線が下に下がって、あたしの手の中にあるアルバムに向けられた。
ますます眉間にシワが寄る。
「それは水狼代々に受け継がれてきたものだ。お前が見るものじゃない。」
冷静に言ってても、怒りを含んでる紫苑の言葉。
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